従業員数で粉飾が見抜ける場合も

粉飾の見抜き方

粉飾の疑いがないかどうか、融資先企業の決算書や試算表等は詳しく見るでしょうが、その時は従業員数も確認してみましょう。

従業員数を把握していますか

融資先の売上高や各利益、借入金残高等は分かっていても、従業員数はあまり把握していないかもしれません。

従業員数は経営者や経理社員へのヒアリングで教えてもらえるとは思いますが、それ以外にも法人事業概況説明書に記載があります。

法人事業概況説明書は法人税申告書と一緒に税務署へ提出する書類です。融資先から提出を受けた申告書類に入っているはずです。もしなければ提出をお願いしましょう。

表面の「3 期末従業員等の状況」の欄には、常勤役員、社員、アルバイト等それぞれの任数、そして合計人数が記入できるようになっています。

そして裏面にも月別の従業員数を記入する欄があります。

法人事業概況説明書は、従業員数だけでなく、月ごとの売上高や仕入高、締切日・決済日等が分かる便利な書類です。必ず決算書と一緒に提出するよう依頼しましょう。

従業員数で粉飾が見つかる可能性も

通常であれば、売上高の成長に伴い従業員数も増加するのが普通でしょう。従業員数に変化がなかったとしても、ビジネスモデルに大きな変化があれば売上高は増加するでしょうが、特にそうした変化がなく今まで通りの商品製品を取り扱っていて、1人当たりの売上高に大きな変化があるとしたら、実在するか疑わしい売上高が存在すると考えられます。

例えばこんな企業があったとしましょう。

1期目が5億円、5期目は20億円の売上高です。しかし、従業員数は若干の増加にとどまっています。1人当たりの売上高が3.6倍まで急増しています。

これは明らかにおかしいです。

決算書以外も確認しましょう

粉飾決算を行う経営者や税理士は、決算書の数字を数字をきれいにすることは考えても、それ以外については手を加えていないことがほとんどです。

それに従業員数は訪問していれば、多少の増減では分からないにしても大幅な変化があれば気が付くはずです。もし本当に従業員数が増えていれば、給与額にも変化があるでしょう。

したがって、従業員数を売上高の増加に比例して架空で増やしても、すぐにバレると思いますからならないと思います。

特に売上高の架空循環取引は外部からは見抜きにくいので、従業員数を参考にするといいでしょう。

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