瀬野 正博

粉飾方法

現金預金の粉飾

現金や預金も粉飾されます。融資取引がない銀行に存在しない預金口座があり、かつ多額の残高があるような粉飾です。現金も実際より増やす粉飾もありますが、経理が杜撰な結果、残高が増えていることが多いです。また税理士が関与していることもあります。
企業や経営者

終わりのない粉飾決算との戦い 

銀行の融資業務においては、粉飾決算問題は終わりのない戦いが続きます。主な粉飾方法や見抜き方以外にも、企業の情報開示の姿勢、外部環境、融資先のビジネスへの理解、行内の意見を言いやすい雰囲気づくり等が、粉飾決算の碑会を最小限にしてくれます。
粉飾の見抜き方

試算表

銀行にとって試算表は仮の決算書として融資先企業の業況把握に活用できますが、決算書よりも正確性で劣り粉飾試算表も多いです。試算表は月ごとに集計されたものを提出してもらいます。各月の経営状況が分かりますし、粉飾した場合も発見しやすくなります。
粉飾の見抜き方

借入金残高の削減

借入金残高が多いと返済能力などが悪化するため、借入金を削減する粉飾をすることがあります。信用保証協会付きの融資を受けていれば、各行から提出された決算書が異なることで発覚します。また、借入金残高と支払利息のバランスが悪化する等でも発覚します。
粉飾の見抜き方

修繕費を固定資産として計上

製造業や運送業などを営む企業においては、多額の修繕費が発生することが多いです。したがって、修繕費を固定資産として資産計上すれば利益を出しやすくなります。固定資産台帳等から固定資産の内容をよく確認するようにしてください。
粉飾の見抜き方

前受金を売上高等へ振り替え

商品・サービス提供前に代金を受け取る事業を行う企業は、受け取った資金を前受金処理します。業績悪化時にそれを売上高処理、仕入高を減少させる処理をして利益を出す粉飾方法があります。企業の事業内容と顧客との資金のやり取りにも注意が必要です。
企業や経営者

粉飾決算前に見られる決算書の兆候

粉飾決算を行う前に見られる決算書の兆候として、売上高減少、役員報酬や交際費の削減、保険料解約、現預金減少、借入金増加などがあります。それらの動きがあれば粉飾決算に手を出す可能性が高いですから注意が必要です。
粉飾の見抜き方

労働分配率と労働生産性の変化に注意

労働分配率と労働生産性の変化から粉飾決算が見つかることがあります。労働生産性(1人当たりの付加価値)が上昇する、労働分配率(付加価値額に占める人件費の割合)が低下する場合は、架空の売上高や在庫の計上などの粉飾が行われた可能性があります。
粉飾の見抜き方

信用保証協会の利用を拒む

信用保証協会は信用力の劣る中小企業が利用する公的な保証機関です。融資を提案する際、信用保証協会の利用を拒むのは、過去に返済面で問題を起こした、あるいは粉飾決算がバレるのを避けるためと考えられます。
粉飾の見抜き方

在庫を見せたがらない

銀行が要求しても在庫を見せたがらないとしたら、架空在庫の水増しで粉飾している、低価格でないと販売できない不良在庫の存在が疑われます。在庫は遠方あるいは取引先で保管しているなど、具体的にどこで保管しているか説明がなければ粉飾決算の可能性が高いです。
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